『言語と呪術』(2018)

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井筒俊彦、安藤礼二監訳、小野純一訳『言語と呪術』慶應義塾大学出版会、2018

井筒俊彦の英文著作翻訳コレクションの一つである。安藤礼二氏の解説を読むために入手してみた。第一章の予備的考察を読んで本書の方法と限界が分かればそれに越したことはないが、難しい。やはり解説から入るのが正しい読み方であろう。言語の起源に迫る話は、とてもスリリングなのだ。

解説では井筒俊彦の師である西脇順三郎と折口信夫の仕事を安藤礼二氏がどう捉えているのか書かれていたのが面白かった。折口信夫の『言語情調論』(中公文庫、2004年)は以前読んだが何も記憶に残っていない。何が書かれた本であったのかすらわからないが、安藤礼二氏の引用を孫引きすると「託宣の言語は自然に象徴言語となっている」とある。

もちろん、西脇順三郎の『超現実主義詩論』(荒地社、1954年)は読んだことがないのであるが、超現現実の言葉は神の言葉であると安藤礼二氏が読み解いている。言語論に関して様々な人々が連なっているようだ。廻り道とわかっていても読みたくなるのは仕方がないではないか。

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