『石川淳選集 第17巻』(1981)

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石川淳『石川淳選集 第17巻(全17巻)』岩波書店、1981年

石川淳選集は新書版で2段組とくれば、老眼には決して優しくない。巻末の座談会を読み始めると、何やら記憶に訴えかけてくるものがある。佐々木基一が半年以上外国へ行っていて準備ができていない言い訳をしていた。石川淳に若い人が興味を待つ理由を解しかねていたのである。

1981年だから、私も「若い読者」と言ってよい年齢だった。座談会は中村慎一郎と加藤周一を加えた3人で行われた。2人なら対談だから座談会と言えば3人以上ということになる。

ちょうど『狂風記』(1980年)の上下2巻が出た後の座談会(1981年2月2日)だから、『狂風記』を枕に振るのは挨拶というものである。

改めて読み返してみて、石川淳の選集の全体が見えてきた。小説と評論からなるこの選集が、17巻あり、中古で5千円しない。目の調子をみて考えることになる。

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