『ユリイカ2020年12月号 特集=偽書の世界――ディオニュシオス文書、ヴォイニッチ写本から神代文字、椿井文書まで』青土社、2020年、kindle版
「対談 文書をめぐる冒険ーー古文書・偽文書・公文書」
ユリイカの2020年12月号をkindle版で読むことにした。サンプルで読んだ馬部隆弘(ばべ たかひろ)氏と小澤実氏の対談が面白かったので、続きが読みくなった。図書館で続きを読めばよいのだが、行っている暇がないのは残念だ。図書館の雑誌は期限が来ると処分されてしまうし、買っておいた方がよいと思った。こうやって紙は増えてきたのだが、流石に電子書籍で読めるものは出来るだけそうしたい。読み返すことは滅多に起こらないのだが、面白い話が二度と読めなくなるのは考えものだ。
学校で習う歴史以外に、テレビ、通俗雑誌などからも歴史に関する情報が与えれる。そうして作られたイメージは歴史学の常識に反していることが多い。バイキングのイメージは角のある兜だけれども、実際には角のある兜は見つかっていないと小澤実氏は言っている。北欧の地元の人は分かっているけど、イギリスあたりでは信じている人もいるという。
青森のキリストの墓もネタでやる分にはよいが、嘘だと分かっているのに本当だと教育しようすることは問題だと馬部隆弘氏が言う。
馬部隆弘氏の『椿井文書―日本最大級の偽文書』(中公新書、2020年)の話を私は勘違いしていたが、偽書を一杯作ってしまった人の話であることが分かって、興味を持った。神社の由緒が怪しいのは、祭神がころころ変わっているところで、延喜式の式内社に合わせるために、祭神を変えることがあったという。由緒書きが残っている方が怪しい。これはどうも馬部隆弘氏の本を読まねばなるまい。
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