ひととき

114「風の面持ち」千宗室

ひととき 2019年4月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「風の面持ち」というタイトルでした。家元が賀茂街道に出る前の小道と思われるところで感じた風について書いていました。路地を入り込んだ人気の無い庭を「眺めているうち...
読書時間

『漢字の字形』(2019)

落合淳思『漢字の字形甲骨文字から篆書、楷書へ』中公新書、2019年 本屋に目的の本がなかったが並んでいたので買ってきた。落合淳思氏の本は私の中で信用度が高いので、無鑑査というわけである。 本書の意図はあとがきに書いてあるので引用する。 「字...
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文学読解の秘訣

谷沢永一『論より証拠』(潮出版社、1985年第2刷)を枕元に置いてナイトキャップにしている。 谷沢永一先生の「文学読解の秘訣を教わる清水好子『源氏物語の文体と方法』」(昭和56年5月17日関西大学通信 110号)を読むと、「昭和二十四年九月...
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『落日の豊臣政権』(2016)その3

河内将芳『落日の豊臣政権 秀吉の憂鬱、不穏な京都』吉川弘文館、2016年 影を落とす後継者問題 声聞師払い 陰陽師と声聞師(しょうもじ)の区別がつけば大したものだ。陰陽寮に属する官人としての陰陽師に対し民間の陰陽師が声聞師(唱門師)といわれ...
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『落日の豊臣政権』(2016)その2

河内将芳『落日の豊臣政権 秀吉の憂鬱、不穏な京都』吉川弘文館、2016年 不穏な京の町 喧嘩 豊臣秀次の小姓と細川幽斎の右筆が豊臣秀次の御弓の衆と口論におよび殺害され、御弓の衆は逐電し、「京中屋サガシ」にいたったという。この「京中屋サガシ」...
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『落日の豊臣政権 秀吉の憂鬱、不穏な京都』(2016)

河内将芳『落日の豊臣政権 秀吉の憂鬱、不穏な京都』吉川弘文館、2016年 河内将芳氏が『落日の豊臣政権』を書いた意図がプロローグにある。「すでに慶長年間(1595-1615)の京都に焦点をあわせ、「慶長世相史を「かぶき」の時代と呼」んで、時...
断片記憶

読書の傾向について

このところ、電車で読書することで、ブログにメモしてきた。混んでいて本を読めない時もあれば、読んでいて乗り越すこともある。 『和歌とは何か』渡部泰明、2009年 『沖縄の聖地 御嶽』岡谷公二、2019年 『秀吉の大仏造立』河内将芳、2008年...
読書時間

『秀吉の大仏造立』(2008)その5

『秀吉の大仏造立』(2008)その5 河内将芳『シリーズ 権力者と仏教 秀吉の大仏造立』法藏館、2008年 第4章 大仏鎮守の建立 善光寺如来を甲斐国から呼び寄せる理由がよく分からなかったが、第4章を読むと、すでに秀吉の実弟の豊臣秀長が病の...
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『秀吉の大仏造立』(2008)その4

河内将芳『シリーズ 権力者と仏教 秀吉の大仏造立』法藏館、2008年 第3章 善光寺如来の遷座 大仏開眼供養を前に、文禄5年(1596)に京都を襲った地震(慶長・伏見地震)により、大仏殿は無事であったが大仏に損傷が生じる事態となった。結局、...
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『秀吉の大仏造立』(2008)その3

河内将芳『シリーズ 権力者と仏教 秀吉の大仏造立』法藏館、2008年 第2章 大仏千僧会の開始 秀吉の先祖供養が大仏千僧会の始まりである。文禄4年(1595年)9月25日より慶長19年(1614年)9月25日まで大仏経堂で行われた。河内将芳...