「こったいの会」

断片記憶

暮れに「こったいの会」がある。「こったい」とは太夫のことだ。「こったいさん」は太夫さんである。要するに島原太夫の会である。島原太夫さんと餅つきを楽しむ会である。天皇誕生日に行われる目出たい集いであり今年も参加する予定でいる。

その太夫さんのいる島原の輪違屋が第39回京の夏の旅 文化財特別公開で公開されていたので8月30日に覗いてみたときのことを書く。

公開期間:2014年7月12日〜9月30日

一階の一部は写真撮影できるが、当日は土曜日で団体さんにぶつかったため、写真を撮ることはなかった。二階は写真撮影できないが見所はここである。二階には宴会に使われる「傘の間」と「紅葉の間」及び「太夫の間」がある。百日紅の手摺の大階段は13段あって、上にギヤマンのミラーボールがあり、客と客が鉢合わせしないようにミラーボールで確認するという。そのため裏階段も用意している。

資料はペラ一枚であるため、輪違屋を知るには別途資料を求めなければならない。

輪違屋十代目の店主である髙橋利樹氏の『京の花街「輪違屋」物語』(PHP新書、2007年、720円プラス税)が手頃であろう。写真も多く載っている。輪違屋が室戸台風で屋根を飛ばされる前まで三階建で大文字が見えたとかいうのは本を読んで始めて知る話だ。

幕末を題材にした小説もあり、下巻末に浅田次郎氏と輪違屋当主の髙橋利樹氏の対談が収録されている。

浅田次郎『輪違屋糸里 上 』(文春文庫、2007年、637円税込)

浅田次郎『輪違屋糸里 下 』(文春文庫、2007年、637円税込)

京都市は2014年3月に五花街と島原を「京・花街の文化~いまも息づく伝統伎芸とおもてな し」を“京都をつなぐ無形文化遺産”に選定」した。今回は輪違屋をゆっくり味わうことはできなかったが、伝統技芸とおもてなしは暮れの「こったいの会」に期待することにする。

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