春雷は春の雪を降らせた。

断片記憶

朝から雷鳴が轟きわたった。
本州の南岸を低気圧が通過するときに、上空に寒気があると大気は不安定になり上昇気流が発生し積乱雲が発達すれば落雷をもたらす。
春雷を聴くのは久しぶりのような気がする。今は雨の音しかしない。足早に去っていったが、雪から霙になった。越谷の住人からは大雪だという連絡が入る。
弥生も後半になってカントの『純粋理性批判』(1781、2版1787)を読むのに事典を利用している。『概念と歴史がわかる西洋哲学小事典』(2011)の127 ドイツ啓蒙は坂部恵が担当している。カントの『啓蒙とは何か』(1784)から定義が引かれているが、未成年状態を脱して悟性を使用することが言われている。悟性を使うと啓蒙=カントになりかねないが、坂部はカントとの関係で説明している。128 啓蒙の裏面も興味深い。「啓蒙が啓示の光に対する自然の光(lumen naturale)としての人間の生来の理性の自立の運動」(pp.370-371)であれば、闇の部分もそれだけ深くなる。人間の情念を探究する動きがその後に出てくるという指摘がいい。

カントの項目は、Ⅳ ドイツ観念論のなかで、→129 ドイツ観念論、130 カント、131 カント『純粋理性批判』、132 カント『実践理性批判』、133 カント『判断力批判』を茅野良男が担当している。そして159 新カント派は関雅美が扱っている。『道徳の形而上学』(1797)が立項されていないのは残念だ。こちらは、斎藤憲典先生の講義でいつか読んでみたいと思っている。

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