『輿地誌略字引』

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市岡正一編輯『輿地誌略字引』弘學館藏版、東京書林、明治8年(1875年)

『輿地誌略字引』は地理の字引である。

明治の初期は、『西洋事情』や『輿地誌略』が読まれた時代だ。『輿地誌略』は文部省の彫刻の萬國地理書だし、その字引も官許だったので、古書としても多く残っていのだろう。教科書ないしは教科書資料として扱われたと思われる。

天と地にそれぞれ、「堀田」と「芳松」と墨書きされているので尋常小学校で使われていた感が強い。当然、漢字は右書きなのである。

『輿地誌略字引』は主字の画数でまとめられている。一画から卅十画まである。六画をみると、合衆国(ガッシュウコク)で「共和政治の国」とある。国は國ではなく国と彫られている。「合州国」とは訳さない見識があった。

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