吉川幸次郎『古典について』講談社学術文庫、2021年
(書誌情報)
『古典について』(筑摩書房、1966年)を原本に旧字体は新字体に改め、引用などの体裁を整理・統一し、編集部により注記を〔 〕で示してある。
解説は小島毅氏で、池田亀鑑『古典学入門』(岩波文庫、1991年)を和文系の古典を扱っているとして薦めている。本書は3部構成である。
Ⅰ 古典についてーあるいは明治について
1904年(明治三十七年)生まれの吉川幸次郎は明治生まれであったが、幼少であったため明治を体験したわけではないという。明治天皇が1912年(明治45年)に崩御し、大正となったことで、大正が少年期から青年期にかかてであり、1980年(昭和55年)に死去したので昭和を生きた人と言ってよい。
吉川幸次郎は明治との距離感を云う。江戸の注釈の学を引き継げなかった明治をきめのより荒い文明であると論じた。注釈の学を失った明治の文明は、歴史の学を得たと云う(p.41)。
漢学と洋学という対比は全体知に関わる問題である(注1)。明治に創り出された漢語で我々は思考している。古典という言葉も明治の漢語の一つである(p.47)。classicsの訳語である。
(注1)「江戸後期における西洋知識の問題」も全体知の観点から読み直す必要がある。
https://handbook-of-four-cities.com/entry/2025/04/13/060014-11043

『古典について』(2021)

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