読書時間

『天問』(1990)の話

十五代樂吉左衞門『天問 樂 吉左衞門作品集』 寛土里、1990年 この図録は樂美術館へ寄付して手に入れたことは、いつだったか書いた。 樂 直入さんの日本経済新聞の私の履歴書2020年2月21日は天問だった。 『天問』は屈原の楚辞の天問篇から...
ひととき

奈良その奥から 17 「市井の智者」

岡本彰夫 『ひととき』2020年3月号 元春日大社権宮司の岡本彰夫氏が「市井の智者」について『ひととき』2020年3人号に書いていました。 人生の支えとなる言葉として諺というものは必要だといいます。大和にも大和独特の言いまわしの諺があるそう...
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『日本の樹木』(1995)

辻井達一『日本の樹木 都市化社会の生態誌』中公新書、1995年、1997年7刷 本書が出てから四半世紀が経過した。 本書はソテツ科ソテツから始まりヤシ科シュロの106種の高木の1900年代の終わり頃の日本における生態誌が長谷川哲雄氏のイラス...
ひととき

125「般若のひと睨み」千宗室

ひととき 2020年3月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「般若のひと睨み」というタイトルでした。家元の土蔵の扉の上に般若の面が掛けてあるのが子供の頃から恐ろしかったといいます。そして、ランタンを下げて土蔵の地下へ降り...
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『中国人郵便配達問題=コンピュータサイエンス最大の難問』(1999)

西野哲朗『中国人郵便配達問題=コンピュータサイエンス最大の難問』講談社選書メチエ、1999年 2020年2月3日のNESSY講演会で広田 修(玉川大学 量子情報科学研究所 顧問)氏の「暗号解読に対する量子コンピュータの能力と量子暗号開発 ―...
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『書物の中世史』(2003)

五味文彦『書物の中世史』みすず書房、2003年 呉座勇一氏の『日本中世への招待』(朝日新書、2020年)の付録に「さらに中世を知りたい人のためのブックガイド」で五味文彦氏の『平家物語、史と説話』(平凡社ライブラリー、1987年)が取り上げら...
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流転する明智光秀の首塚

『奈良史学』37号に村上紀夫氏が「流転する明智光秀の首塚」を書いていたのを読む。 明智光秀の首は斎藤利三の首と共に粟田口に葬むられたあと、明智光秀の子孫か家来の子孫という明田理右衛門(明田利右衛門)によって白川橋三条南梅宮町に五輪塔が移され...
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『日本中世への招待』(2020)その2

呉座勇一『日本中世への招待』朝日新書、2020年 第二部 交流の歴史学 「この室町文化の特徴を一言で述べるなら、「寄合の文化」ということになろう」(P156)。 闘茶や連歌は「寄合の文化」をよく表している。タイムスクープハンターでも闘茶など...
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『日本中世への招待』(2020)

呉座勇一『日本中世への招待』朝日新書、2020年 書誌情報 朝日新聞の土曜別冊「be」に2014年10月より2018年3月まで月1連載したものに概説を加えたもの。連載はネットDIGITAL朝日新聞で読んでいたので、第一部の概説を読む。当初は...
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『老子入門』(2002)

楠山春樹『老子入門』講談社学術文庫、2002年、2004年第3刷 書誌情報 『中国の人と思想4 老子』(集英社、1984年)を底本として、1993年、湖北省荊門市の郭店楚墓から「竹簡老子」が出土したことから、解説部分を全面的に書き改めたほか...