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『論より証拠』(1985)

谷沢永一『論より証拠』潮出版社、1985年第2刷 神田古書まつりといえば、いつも気がつくのが当日だったりして欲しい本が思い出せずに、手ぶらでは帰れないため谷沢永一の本を探している自分に気がつくことが多い。しかし、この頃の本は谷沢永一が鬱で苦...
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『山月記・李陵 他九篇』(1994)

中島敦「文字禍」『山月記・李陵 他九篇』岩波文庫、1994年、2013年第29刷 中島敦の「文字禍」という掌篇の寓話を読む。寓話であるからには何か背景があるに違いない。氷上英廣氏の解説には、「「名人伝」や「文字禍」などの寓話物も、その背景に...
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『経験と思想』(1977)その2

森有正『経験と思想』岩波書店、1977年 前回は思い出を書いて終わってしまった。今回から内容に入ろうと思う。 『経験と思想』は岩波書店の『思想』に掲載された。森有正によれば第Ⅰ部である。その後は、第Ⅱ部は「『実存』と『社会』」と題することに...
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『経験と思想』(1977)

森有正『経験と思想』岩波書店、1977年 辻邦生の解題を読むと当時のことが蘇ってくるようだ。森有正が1976年にパリで死去したため、『経験と思想』は第Ⅰ部で終わってしまった。著者の死とともに本は読まなくなった。その後、全集やエッセイ集成が出...
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『情報生産者になる』(2018)

上野千鶴子『情報生産者になる』ちくま新書、2018年 通勤電車の中で読んでいますが、382頁と厚い新書です。どうも、「情報」や「生産」とか「技術」とかいう言葉の組み合わせに弱いので手にしました。梅棹忠夫の『知的生産の技術』(1969)や渡部...
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『ロベルトは今夜』(1962)

ピエール・クロソウスキー、遠藤周作・若林真訳『ロベルトは今夜』河出書房新社、1962年第5刷 2016年11月3日にLe Petit Parisienで『ロベルトは、今夜』の映画を観て、クロソウスキーを巡る山口椿氏、大森晋輔氏、石川順一氏の...
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『山家集』(1982)

後藤重郎校注『山家集』新潮日本古典集成、1982年、2011年第10刷 久しぶりに『山家集』を手に取る。カルチャーラジオの古典購読で上智大学の西澤美仁教授の「西行をよむ」を何回か聞いているうちに西行が読みたくなった。たまたま開けた段ボール箱...
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『デカルト『方法序説』を読む』(2014)その3

谷川多佳子『デカルト『方法序説』を読む』岩波現代文庫、2014年、2017年第2刷 第3章では、デカルトの『方法序説』で書かれていない1部と2部の間のことが語られる。デカルトは学校を出て書物の学問を捨てて旅に出る。そして「わたし自身のうちに...
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『デカルト『方法序説』を読む』(2014)その2

谷川多佳子『デカルト『方法序説』を読む』岩波現代文庫、2014年、2017年第2刷 谷川多佳子氏が森有正のパリの家でみた『本居宣長全集』の思い出が印象に残ったところまでは書いた。森有正が本居宣長をどう読んでいたのか気になった。エッセイに書い...
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『デカルト 『方法序説』を読む』(2014)

谷川多佳子『デカルト『方法序説』を読む』岩波現代文庫、2014年、2017年第2刷 本書は、岩波市民セミナー(1999年10月)の4回の講演を基にした「岩波セミナーブックス」(2002年)を岩波現代文庫としたもの。森有正と小林秀雄に触れるこ...