『京都 天神をまつる人びと ずいきみこしと西之京』(2014)

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『京都 天神をまつる人びと ずいきみこしと西之京』(写真)西村豊、(文)三枝暁子、岩波書店、2014年

天神さんの「ずいき祭」を扱った本。これだけ詳しく書いてあるのは初めて見た。何よりも写真家が「ずいき祭」を見て育ったのがいい。学者の取材で祭の全体像が見えた。何度も見るチャンスがありながら見過ごして来た。やはり知らないということにはどうにも始まらないのである。

北野天満宮の「ずいき祭」(10月1日から5日)のために制作される「ずいきみこし」は京都市登録無形民俗文化財になっている。みこしの屋根がずいき(サトイモの茎)で葺かれるだけでなく、飾りが花、農産物や海産物でつくられる。鮮度が大切で毎年作り変えられている。鳥居の笠木は寿司海苔を貼り付けているし、真紅は千日紅を糸で通したものを貼り付けている。西之京瑞饋神輿保存会の活動を丁寧に取材しているため、「写真を見る自分も、祭に参加しているようであった」(梅原猛氏の推薦文)。

御旅所に屋台も出て楽しそうである。祭は準備そのものを含めて祭なのだと思う。

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