『武士道ー 侍社会の文化と倫理』(2014)

笠谷和比古『武士道ー 侍社会の文化と倫理』エヌティティ出版、2014年

「武士道」という言葉の使われ方を史学実証主義の方法を用いて究明する。いわゆる「武士道」に関する本は避けていたが、『主君「押込」の構造』(講談社学術文庫)の著書である笠谷和比古氏の「武家屋敷駆込慣行」の問題提示もあって、ようやく読む気になる本が出た。

「武士道」という語についての初出は『甲陽軍鑑』の成立時期が決せられていないため留保するのはしかたがない。

以下、17世紀における「武士道」、18世紀における「武士道」、19世紀における「武士道」という語の出ている文献から「武士道」の概念内容がどのように多岐にわたり、またどのような変遷をたどっていったかを検討する。史料と原文が出てくるが、「史料価値を損ねない範囲で、漢文的表記は読み下し文になおしたり、また漢字と仮名を適宜に配分して表記」している。

終章において、実はこれが長い(95頁から162頁)のだが、「武士道」の諸相を明らかにする。

 

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