断片記憶

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読書の後に感想戦はいかが

瀧本哲史氏は『読書は格闘技』(集英社、2016年)のあとがきにかえて「読書は感想戦」を書いている。感想戦とは将棋などの対局後に対局者が一局を振り返り、手の良し悪し、敗因や局面の優劣などを評価し合うことをいう。TVの感想戦は短いが見れば少しは...
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研究不正と人工知能

黒木登志夫『研究不正 科学者の捏造、改竄、盗用』中公新書、2016年 研究不正の古典的名著としてウイリアム・ブロード、ニコラス・ウェイド、牧野賢治訳『背信の科学者たち』(講談社、2014年)があげられていた。 原作は1983年で翻訳が198...
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『つくられた縄文時代』(2015)

山田康弘『つくられた縄文時代 日本文化の原像を探る』(新潮選書、2015年) 本書を手に取ったのは、帯が重版になったときだったが、手に取った本の下に何故か初版があったので、初版を購入することにした。帯がベタな宣伝文になっていて、出版界の事情...
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「京都通」とは何か

「京都通」という言葉がいつから使われるようになったかは知らない。私にとって意味の分からない言葉の一つである。いわゆる京都人がコンテンポラリーな生活をしていれば、脳は当然、要らないことを省いてくれるので、挨拶も考えずにできるようになるし、微妙...
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『京都の極み』(2016)

船越英一郎『京都の極み』(マガジンハウス、2016年) BS日テレの「船越英一郎 京都の極み」(2015年10月11日から)をたまに見ることがある。本書は番組連動本である。テレビ番組のよいところは普段入れない奥にカメラが向けられることである...
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金閣寺方丈杉戸絵

金閣寺方丈杉戸絵は石踊達哉氏と森田りえ子氏の作である。金閣寺で見てから、時間が経った。承天閣美術館で森田りえ子氏の展覧会がある。石踊達哉氏の展覧会を日本橋三越で見たが、杉戸絵は見るところができなかった。森田りえ子氏の杉戸絵が見られるのは楽し...
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読み終わった本

読んだ本を処分するのは難しい。記憶はあてにならない。原典がどうしても必要になることがある。資料として引用したくなるときに限って本が見つからないことが多い。しかし、利用できる状態にしておかなかったことが問題だった。読書のプロセスは読んで終わり...
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読んでいない本

どうしても処分しなければならないとしたら、読んでない本から手を付けるべきだと中村武生先生はつぶやいた。 読んでない本の整理を考えてみた。 ①すぐ読みたい本か ②読んだ方が良いと思っている本か ③いつか読むかもしれない本か ②と③は処分 読み...
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素振り1,000回ということ

宮本武蔵は『五輪書』で、「鍛錬」という言葉をつかった。「千日の稽古をもって鍛とし、万日の稽古をもって錬とす」といった。 米長邦雄永世棋聖は3,000時間がその分野の基礎をつくるために必要な勉強時間だといった。将棋のプロになるためには1万時間...
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知識とは何か

1.適正な本の量とは? 普通の生活をしていると、寝床の周りに積んである本を読むことで一年は経ってしまうに違いない。1日で1冊読める本はほとんどない。まして、ライブラリーや居間の本棚と洗面所の段ボールや玄関の段ボールは開けるまでもなくもう読ま...