断片記憶

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計画的な読書とはあるのだろうか?

計画的な読書とはあるのだろうか? 今年一年で仮に100冊読むとして、100冊全てが決まっていることはあるのだろうか。今年読むべき本100冊とかいうものがあったとして、その100冊を読むという人はどれくらいいるのだろうか。 毎月のように書店に...
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「言志四録」の読み方

近世儒学はチャイナ論、チャイニーズ論ではない。近世儒学は人生論、社会論、日本人論として読まれた。その意味で、伊藤仁斎の『童子問』(元禄4年(1691)〜 宝永2年(1705))、佐藤一斎の「言志四録」(文化10年(1813)〜嘉永6年(18...
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『テクノロジストの条件』(2005)

P・F・ドラッカー、上田惇生編訳『はじめて読むドラッカー【技術編】テクノロジストの条件 ものづくりが文明をつくる』ダイヤモンド社、2005年 松尾明先生がシステム監査学会でドラッカーの『テクノロジストの条件』を基準書として読むことを発表した...
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新選組研究の回顧と展望

『歴史読本 2004年3月号』を神保町で手に入れて、中村武生氏の「新選組研究の回顧と展望」を読む。爽やかな読後感を覚えた。「新選組」の読み方が分かる論考である。 大河ドラマ「新選組!」の年に書かれたので少し古くなったが、「新選組」を読む者に...
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『銀鏡神楽』(2012)

濱砂武昭『銀鏡神楽 日向山地の生活誌』弘文堂、2012年第2刷 銀鏡神楽を「しろみかぐら」とは読めなかった。東米良神楽である。隣に西米良神楽がある。宮崎県の日向山地の旧東米良村の一部が西都市に編入された。銀鏡地区の神楽の話が中心であるが、山...
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言葉の力

永井清彦『言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集』岩波現代文庫、2009年、2015年第3刷 月刊監査役の水鏡第20回は「荒れ野の40年間」だった。去年の日本監査役協会監査役全国会議の参加者交流会のときT副会長がワイツゼッカーの1985年5月8日...
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『西米良神楽』(2009)

西米良村教育委員会編『西米良神楽』鉱脈社、2009年 2015年10月4日に吾妻橋で西米良神楽の村所神楽のダイジェストを見た。と言っても6時間である。見た瞬間にdéjà-vuだと感じたのは、『西米良神楽』をINAXブックギャラリー(現LIX...
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上田正昭氏逝く

2016年3月13日上田正昭氏が亡くなった。88歳であった。最後に聴いたのは佛教大学四条センターでの講演「新考・京都の朝鮮文化」 (2013年5月25日)だった。体調を崩されていたにもかかわらず、笑いをとる上田節は健在だった。ご冥福をお祈り...
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『京都発見1 地霊鎮魂』(1997)

梅原猛『京都発見1 地霊鎮魂』新潮社、1997年、2003年第15刷 案内人・脚注執筆 西川照子 写真 井上隆雄 若王子から始まる。当時は、読んでも京都の地名はよく知らなかったし、社寺もその歴史を知らなかった。しかし、今は、京都に少し慣れて...
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代表的日本人 中江藤樹

人を発見することは、その人の生き方に関わる。私はどれだけの人を発見したのだろうか。書物を読むことは自分にとって事件である。ある言説が事件性を持つ時、その言説に出会うこともまた事件である。 内村鑑三の『代表的日本人』は内村鑑三が発見した人が挙...