Goinkyodo

ひととき

54 「町の音」千宗室

ひととき 2014年04月号の千宗室氏の京都の路地まわり道は「町の音」の話でした。LPとCDの違いをアナログとデジタルと論じ、喜怒哀楽はアナログであるという。西陣から旧東陣あたりを散歩中に、町家から笙(しょう)や篳篥(ひちりき)の稽古の音が...
旅の時間

雨の大石忌

一力亭の大石忌に知人と参加しました。大石良雄の命日(3月20日)に毎年行われている行事です。仮名手本忠臣蔵の七段目で有名ですが、お話の世界のこととわりきって愉しみます。雨の中、待つことから始まります。この時期は雨が降ったことがないようです。...
ひととき

53「茶店」千宗室

ひととき 2014年03月号の千宗室氏の京都の路地まわり道は「茶店」の話でした。三条と木屋町とが交差する角にあるOという喫茶店には「曜日によって高名なバリスタがいて、五感を潤すコーヒーを飲ませてくれるらしい」。家元も下世話に通じています。銀...
読書時間

『バースト!』(2012)

本の山が崩れたときにアルバート・ラズロ・バラバシ著『バースト! 人間行動を支配するパターン』(NHN出版、2012)が出て来た。このところの私のツイートが突然増える(バーストする)理由が書いてあったのだが、アンディ・ウォーホル氏の記述に目が...
読書時間

『形の発見』(2013)

「琴ならし」の話(天心の『茶の本』の大塚パラフレーズ)は読むことの本質を問うもので面白い。大塚久雄氏のゼミナールに著者が聴講を許された時の開講の話が昨日のことのように話される。仙人が献上した琴を誰も鳴らせることができないなか、伯牙という乞食...
読書時間

『日本書紀の謎を解く』(1999)

森博達著『日本書紀の謎を解く』(中公新書、1999)では、音韻学と語用により、従来の頻出語等による形態分析の限界を超えて日本書紀の成立順と述作者の推定をしています。音韻学と語用の指摘は煩瑣ですが(普通は飽きると思いますが)、個々の事例なので...
読書時間

『人間の限界』(1975)

霜山徳爾『人間の限界』岩波新書、1975年、1976年第7刷臨床心理学者の霜山徳爾氏の「人間性」に関するエッセイです。味わうという言葉が単に生理学的な意味だけではなく、「甘露」、「辛酸」、「苦渋」などの言葉と結びつき、人間らしくなるのは何故...
読書時間

『演者の目』市川猿之助

六代目菊五郎の『鏡獅子』の生命力溢れる踊りを論じながら、自身も祖父に『鏡獅子』が踊れるよう藤間宗家から『鏡獅子』を習った市川猿之助氏(当時は団子)は、藤間宗家より「六代目はこうやりました。しかし貴方はこれを真似しては駄目です。貴方の個性を、...
断片記憶

『庭師小川治兵衛とその時代』(2013)

建築史家の鈴木博之氏が2014年2月3日に亡くなったが、読みかけの本があった。『庭師小川治兵衛とその時代』(東京大学出版会 2013)鈴木博之氏は近代日本の支配層が欲した表現としての庭園があったいう。山縣有朋の無隣庵の前に琵琶湖疎水開発から...
ひととき

52「川辺の奇譚」千宗室

ひととき 2014年02月号の千宗室氏の京都の路地まわり道は「川辺の奇譚」というジョギングの時の話でした。コースで人とすれ違ったりする場合、誰もがスピードを上げるし、家元も少しばかり勢いをつけるのは微笑ましい。尺八を吹くために思いっきりスト...
ひととき

51「茶花」千宗室

ひととき 2014年01月号の千宗室氏の京都の路地まわり道は「茶花」と茶道の話題でした。椿は強い。芯が通っていると褒めて、正月は曙椿と鶯神楽で春よ来いとい趣向。稽古は「目的に向かって心を"空"の状態に戻そうとする訓練」と締める。
読書時間

椎名誠『メコン・黄金水道をゆく』を病院の待合で読む

椎名誠著『メコン・黄金水道をゆく』(集英社文庫、2008)を妹が入院した病院の待合で読む。世界には大きくわけて三つの種類の川があると椎名誠氏があとがきに書いている。①日本の川②スコットランドの川③アマゾンやメコン「メコンの流域にはこの河に生...
断片記憶

夢枕獏の結界

夢枕漠の結界この結界に入ると、外を隔てる壁はなく、季節が冷気や暑気を通して膚から感じられ、宵の空、桜の闇を静かに眺めている自分が見える気がする。エンターテイメントは苦しみ、悲しみを昇華していまう力がある。また、時期が来たら読み直そうか。
断片記憶

来年の大石忌は?

今年の大石忌はお茶屋の中居さんが、積極的に勧めてくれなかったので、見送りましたが、来年の3月20日(木)の大石忌に豆そめさんが舞うと本人から聞きました。同期の杏佳さんも一緒だそうで、見に来てと言われると断るのが難しいなあ。都をどり、五花街、...
ひととき

50「左党と砂糖」千宗室

ひととき 2013年12月号の千宗室氏の京都の路地まわり道は「左党と砂糖」でした。家元は辛党だが、なぜか「パイ」がお好みです。しかし、「洒落こけている。ふわっとしてしっとりして、さっくり甘い」のはお好きでないようです。ずっしりと重たいパイを...