陳舜臣『論語抄』中公文庫、2009年
書誌情報
2007年に中央公論新社で刊行したものを2009年に中公文庫としたもの。
桑原武夫の『論語』は十篇の「上論」の中からセレクトしていたが、陳舜臣は二十篇の中から、セレクトしている。入門編はそれでよい。金谷治訳注『論語』(岩波文庫、1999年)を使ったのは、子安宣邦先生の指定だった。シンプルなので講義には使いやすい。伊藤仁斎と荻生徂徠の解釈に対し子安先生が評釈を加えたものを何年もかけて読むことになった。
陳舜臣が中国の歴史を使って解説しているのが新鮮だった。何しろ勉強不足で近代中国の歴史を知らないのであるが、取り上げる話が生々しいのである。金谷論語にはないサービス精神である。
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