『読書とは何か』(2022)その4

読書時間

三中信宏『読書とは何か 知を捕らえる15の技術』河出新書、2022

2章は読書術(基本篇)の5節からなる。

著者の踏み跡を辿るという狩猟としての読書が対象にしているのは大著の学術書のようである。アニマルトレイルを追うことは、以前に雪山で遊んだことがある。冬の山で散弾銃の音を聞いたのも遥か昔になった。「読み手はその文字空間を懸命にサンプリング(読む)して、断片的な手がかり(ノード)を集め、全体像(ネットワーク)への推論を試みる」(p.135)。読書がそういうものであれば、狩猟の考え方の応用が効くのだろう。

前提知識の乏しいアウェイの分野の読書であれば、細かくノードをとり、立ち止まって振り返りをする必要があることは納得できる。要約を細かくすることはしてこなかったが、もう既にこの第2章を読み終わって基本の技術が書いてあったかは忘れてしまったが、大著の書評は性質上(読売新聞の書評は刊行から3月以内)読む機会が少ないので、概要がわかってよかった。書評として読む価値がある。

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