奈良その奥から22「職人の矜恃(ほこり)」

ひととき

岡本彰夫 『ひととき』2020年8月号

元春日大社権宮司の岡本彰夫氏が「職人の矜恃(ほこり)」について『ひととき』2020年8月号に書いていました。春日大塗師職預・樽井禧酔(たるいきすい)氏は奈良漆器の名匠です。岡本彰夫氏がその号禧酔を送ったそうです。

職人の矜恃は、仕事にかける時間にあることが分かります。一日でできる仕事が一日でできてこそ一人前で、二日分の手間賃を貰うことは職人の恥辱とされたといいます。

しかし、この感覚では職人は滅びてしまうかもしれません。それができるのは名人クラスでしょう。作ったものが売れるという環境で、作り慣れたものを作るだけならともかく、新たな仕事にチャレンジしなければ仕事そのものがなくなるのが伝統職人の置かれた状況です。

日本酒も伝統に甘んじるばかりではありません。

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