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『法然の手紙を読む』(2025)を読む(その3)

阿満利麿『法然の手紙を読む』ちくま学芸文庫、2025年第二章で残された大胡太郎実秀宛の手紙を読もう。「三心(さんじん)」の解説になる。「「三心」とは、『観無量寿経』に説かれている、極楽浄土にいたるための十六の観察方法のかなの代十四番目に出て...
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『入唐求法巡礼行記』(1970)をナイトキャップとして読む

円仁、足立喜六訳注、塩入良道補注『入唐求法巡礼行記1』東洋文庫、1970年、2005年第22刷足立喜六訳注、塩入良道補注とあるように、やたら詳しいので、第1章だと、本文前に解説が2頁、本文が7頁に対し、注と補注で8頁というような感じでなかな...
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『法然の手紙を読む』(2025)を読む(その2)

阿満利麿『法然の手紙を読む』ちくま学芸文庫、2025年第二章 「根本の弟子」は武士法然の弟子となった関東武者の大胡太郎実秀(だいどのたろうさねひで)、渋谷七郎入道道遍(しのやのしちろうにゅうどうどうへん)、津戸三郎為守(つのとのさぶろうため...
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『法然の手紙を読む』(2025)を読む

阿満利麿『法然の手紙を読む』ちくま学芸文庫、2025年書誌情報本書は「法然上人のお手紙を読む会」での解説がきっかけで書き下ろされた。解説、手紙の原文、訳、さらに解説が一つの手紙毎に区切って取り上げられる。これは法然の論理が明快であることから...
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『『教行信証』を読む』(2010)を読み直し始める(その6)

山折哲雄『『教行信証』を読む 親鸞の世界へ』岩波文庫、2010年第五章 未決の課題第五章の最後は「真仏土」とは何かが語られる。「真仏土とは何か。まず「仏」は無限の「光」に包まれた如来。「土」は、無量の「光」が降りそそぐ浄土だ。この「仏」も「...
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『『教行信証』を読む』(2010)を読み直し始める(その5)

山折哲雄『『教行信証』を読む 親鸞の世界へ』岩波文庫、2010年第五章 未解決の課題 ー「証」から「真仏土」へー「親鸞は『教行信証』の冒頭、すなわちその「教」巻の書きだしのところで、浄土真宗の教えでは、往相と還相の二種の廻向を説くことが基本...
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『『教行信証』を読む』(2010)を読み直し始める(その4)

山折哲雄『『教行信証』を読む 親鸞の世界へ』岩波文庫、2010年街の本屋も潰れたけれども、図書館も本の洪水に襲われて、本を留めて置けなくなっている。目的の本は置いていないかったので、そのうち体力をみて段ボール箱をあさることにしょう。ここで親...
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『『教行信証』を読む』(2010)を読み直し始める(その3)

ら山折哲雄『『教行信証』を読む 親鸞の世界へ』岩波文庫、2010年第3章 難問に苦悩する親鸞 ー「信」Ⅰーここに至ってテキスト批判が行われる。親鸞真蹟本の発見が述べられる。「坂東本」は「親鸞自身の手に成る草稿本とされるようになった」(p.9...
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『『教行信証』を読む』(2010)を読み直し始める(その2)

山折哲雄『『教行信証』を読む 親鸞の世界へ』岩波文庫、2010年第2章 依拠すべき原点と念仏ーー「教」から「行」へーー山折哲雄氏は『教行信証』という作品と言っている(p.v、vii、viii、2、9、32、36、40、43、44、46、52...
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『『教行信証』を読む』(2010)を読み直し始める

山折哲雄『『教行信証』を読む 親鸞の世界へ』岩波文庫、2010年驚くということ『教行信証』の二つの主題と一つの目的を山折哲雄氏は提示するが、それは後に回すことにする。まず、『教行信証』の時代背景が語られる。「すでに師の法然は念仏のみを選択す...
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『百代の過客』(2011)を読む

ドナルド・キーン、金関寿夫訳『百代の過客 日記にみる日本人』講談社学術文庫、2011年「終わりに」で、ドナルド・キーンは「私は『百代の過客』の中で、838年の円仁に始まり、1854年の川路聖謨(かわじとしあきら)の日記に終わる、ちょうど千年...
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『日本群島文明史』(2025)その2

小倉紀蔵『日本群島文明史』ちくま新書、2025年前回は註から読むという技をつかってみた。夏バテなので、省エネ読書をしたわけだが、知らない本も多く、手元にある本も再読したくなった。最近読んだ本のMind Mapは作ってきたが、自分の知の体系は...
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『プラトンと反遠近法』(2025)を読み始める

神崎繁『プラトンと反遠近法』講談社学術文庫、2025年(書誌情報)『プラトンと反遠近法』新書館、1999年を文庫化したもの。注と人名・作品名索引があり、解説を山内志朗氏(中世哲学、慶應義塾大学名誉教授)が書いている。320頁あるが、308頁...
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『三国志名言集』(2005)の訓読の調子が好き

井波律子『三国志名言集』岩波書店、2005年を読む。その2。『三国志演義』の文体は白話(口語)長編小説であるが、格段に文言(文語)に近いという。白話で書かれた小説でも『水滸伝』と違って訓読できるという。それは読んできてわかったが、解説を読む...
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『三国志名言集』(2005)は難しいか

井波律子『三国志名言集』岩波書店、2005年『世説新語』で井波律子氏を思い出した。もう故人となられたので新たに本が出ないのが残念である。参考文献に吉川忠夫『魏晋清談集』(講談社、1997年)が載っているのを見てにやりとした。本書は『三国志演...