『新編百花譜百選』(2007)

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木下杢太郎画、前川誠郎編『新編百花譜百選』岩波文庫、2007年

連翹で思い出した。木下杢太郎(医学博士太田正雄)の『百花譜』は872枚の原色版をB4判2冊に収めて著書没後34年の昭和54年に岩波書店から刊行されている。その後、澤柳大五郎選『百花譜百選』(1983年)、前川誠郎選『新百花譜百選』(2001年)が編纂された。この『新編百花譜百選』は前川誠郎氏の二度目の選となっている。

木下杢太郎の『百花譜』は昭和18年3月10日、まんさくの花(図譜1)に始まり、昭和20年7月27日、やまゆり(図譜100)に至るまで総計872点からなる。100譜選は最初と最後を押さえている。

本書は右に翻刻、左に図譜で100譜に、解説と木下杢太郎小伝、図譜一覧と植物名索引からなる。

戦中に書かれたものだから、戦況と病気の話がよく出てくる。旧仮名なので翻刻は新仮名に直しているが、慣れてくれば読みにくくはない。腊葉標本(さくようひょうほん)か折枝花のような花譜を眺めながら、時間の貴重さを感じている。

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