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『日本中世の民衆世界ーー西京神人の千年』(2022)

三枝暁子『日本中世の民衆世界ーー西京神人の千年』岩波新書、2022年 書誌情報 参考文献や図表出典一覧がある。索引はない。 この本を読む人はどういう人だろうか。日本の中世の民衆世界を京都の西京(にしのきょう)の神人(じにん)を通じて論じる本...
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『中世社会の基層をさぐる』(2011)その2

勝俣鎭夫『中世社会の基層をさぐる』山川出版社、2011年 本論文のメインはなんといっても「中世の家と住宅検断」である。勝俣鎭夫氏が『中世の罪と罰』(東京大学出版会、1983年、のち、講談社学術文庫、2019年)で「家を焼く」を書いて批判され...
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『中世社会の基層をさぐる』(2011)

勝俣鎭夫『中世社会の基層をさぐる』山川出版社、2011年 桜井英治氏の解説が簡潔なので、これによるとこにしよう。 「先生は「サキ」と「アト」に関する古い用例を徹底的に洗い直し、ときに古典文学の通説的語釈の誤りを正しながら、語意の逆転が生じる...
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『政治学』(2001)

アリストテレス、牛田徳子訳『政治学 西洋古典叢書』京都大学学術出版会、2001年、2022年第8刷 書誌情報 京都大学学術出版会『西洋古典叢書』第Ⅱ期第8回配本 月報23には二人の話が載っていた。 眞方忠道「自然状態」 中務哲郎「古代ギリシ...
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耳輪を付けた人

入矢孝高訳注『良寛詩集』東洋文庫、2006年 『良寛詩集』を偶々読んでいたら、耳輪を付けた人が出てきた。 寓作 国上山下是僧宅 麁茶淡飯供此身 終年不遇穿耳客 只見空林拾葉人 国上山下 是れ僧宅 麁茶(そさ)淡飯 此の身に供す 終年遇わず ...
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『上に立つ者の心得 『貞観政要』に学ぶ』(2008)

谷沢永一・渡部昇一『上に立つ者の心得 『貞観政要』に学ぶ』致知出版社、2008年 谷沢永一と渡部昇一の対談本は、達人の読み方を味わえるところもあるが、ステレオタイプでしょうもないところもある。これは、小室直樹の晩年近い本を読んでも感じたが、...
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『京都の山と川ーー「山紫水明」が伝える千年の都』(2022)

鈴木康久、肉戸裕行『京都の山と川ーー「山紫水明」が伝える千年の都』中公新書、2022年 ネットを見ればある程度情報が得られる。ただし、整理されていないので、バラツキが大きいため全体を俯瞰するには適していない。本書は、京都が山と川によって形作...
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『密教』(1991)

松長有慶『密教』岩波新書、1991年、2022年第33刷 発行時より三十年が経過して研究も進んだと考えられる。しかし、密教を体系的に述べるのは難しい。ディテールの不確かさを書く際に研究の深さが問われるからである。 「日本において、密教は空海...
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『セキュリティ心理学』(2022)

内田勝也『セキュリティ心理学』学術研究出版、2022年 書誌情報 索引【英語】【あいうえお】、参考資料がある。 ISACA東京支部の月例会(2022年8月31日)で情報セキュリティ大学院大学名誉教授の内田勝也氏が「なぜ、セキュリティ心理学か...
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『万葉集の考古学』(1984)その3

森浩一編『万葉集の考古学』筑摩書房、1984年 NHKラジオの古典講読「歌と歴史でたどる『万葉集』」(24)で鉄野昌弘氏が藤原京と平城京を取り上げていた中で、『万葉集』巻19の以下の歌を飛鳥浄御原宮ではなく藤原京の歌であると解説していたのを...