『形を読む』(2020)

読書時間

養老孟司『形を読む 生物の形態をめぐって』講談社学術文庫、2020年

書誌情報

『形を読む 生物の形態をめぐって』培風館、1986年を講談社学術文庫とした。

形態学

「形態学では物を見る。

もっとも基本的な方法は、肉眼で見ることである」(P43)。

見ることには議論があって、「同じものを見ても、人によって、違うところを見ていることも多い」(P43)。

同じ絵や景色を二人で見ても、同じように見ているわけではない。見ることは、神経が外界(環境)に反応することであり、脳が情報として処理しているのであるから、原理は同じであっても、個体毎に異なるだろうことは、個体の経験や状態という内界(内部環境)に影響されるものと考えれば納得がいく。

養老孟司氏が「差異と同一性」の問題を扱うのは文庫版まえがきを読む限り変わらないようだ。「いまでも意見はさして変わっていない」(P3)という。『遺言。』(新潮新書、2017年)も同じテーマで書いたという。

コメント

タイトルとURLをコピーしました