谷沢永一『人間学』五月書房、2004年
「職を離れて身が閑散になりましたから今後は好きなことをして余世を送ります、などとふざけたセリフを聞く。本当に好きなことであるなら、在職中の今ででも、やらずにはおれなかった筈である。その年まで何もせずにすごしてきたのなら、要するにしたいことがなかったのである。何事にせよ、好き、とはせずにおけない、という心のうごめきである。物事は継続してこそ意味があるし上達もする。大学を退職してから研究をまとめますなどと言って、六十数歳ではじめて書いた本はすべて気のぬけたビールであった」(P131)。
還暦前に仕事を辞めたが、また働き出して還暦すぎても仕事していると、谷沢永一の言葉が胸に響く。還暦過ぎてからやろうと思ったことは何一つ出来ず。それまでして来たことを続けている。
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