古都を旅する

お目覚(めさ)

「3月1日の深夜0時45分、参籠宿所の静けさを破るように、ひときわ大きく尻上がりに加供奉行の声が響く。 「お目覚ー(めさ)、お目覚ー、お目覚ー、お目覚ー。・・・お目覚ー」。最初の4声は参籠宿所に休む練行衆の起床を、少し遅れた一声は湯屋に休む...
散歩時間

『特別展 春日大社』(2017)

東京国立博物館他編『特別展 春日大社 千年の至宝』NHK他、2017年 『特別展 春日大社 千年の至宝』を観た。 春日大社へ奉納し神宝となれば、もう一般の目に触れることができなくなることは、NHKの番組で説明されていた。 展示されていたのは...
読書時間

『足利直義 下知、件のごとし』(2016)

亀田俊和『足利義直 下知、件のごとし』ミネルヴァ書房、2016年 足利直義(あしかが ただよし)の評伝である。笠松宏至「足利直義」(豊田武編『人物・日本の歴史 第5巻 内乱の時代』読売新聞社、1966年)の短編を除き、森茂暁『足利直義ー兄尊...
断片記憶

部立は踏襲されたのか。

新古今和歌集も20巻よりなる。 佐々木信綱によると新古今和歌集の部立は12で、佐伯梅友によると古今和歌集の部立は10であった。二人の数え方が異なるが、四季と恋で11巻は同じ数である。津田左右吉に平安貴族は恋ばかり歌っているといわれてもしかた...
読書時間

『観察力を磨く』(2016)

デザイン思考は色々な定義がある。スタンフォードの定義を見てみる。 i.共感(Empathize) ii.問題定義(Define) iii.創造的考察(Ideate) iv.プロトタイプ(Prototype) v.検証(Test) スタートの...
断片記憶

古今和歌集の夏歌の巻

『古今和歌集』の夏歌の巻を読んだ。私も春歌 上下と読んで、立春に始まり、霞や雪、若菜、梅と鶯、桜、山吹、藤など季節が歌により進んでいくことが感じられ、配置を楽しんだ後だったので、そのまま夏歌に入っていけた。 夏歌 34首を見ると、山郭公(や...
古都を旅する

西福寺

週刊新潮の「とっておき私の京都」芥川賞作家の村田沙耶香氏の3回目は「西福寺」でした。「檀林皇后九相図」を村田氏が見ています。九相図は皇后が死んで、その肉体が朽ち果てる姿を描きます。西洋ではメメントモリというモチーフがあり、「死を記憶せよ」と...
読書時間

「良寛の悲劇」とは何か

山折哲雄『「ひとり」の哲学』新潮選書、2016年 山折哲雄氏は良寛を媒介にして親鸞と道元を呼び出す。 親鸞の柏崎へ配流の跡を車で旅する話では、非僧非俗の親鸞の歩みを追いかけているうち、柏崎ということで良寛が出てきた。 山折哲雄氏は谷川健一の...
読書時間

『「ひとり」の哲学』(2016年)

山折哲雄『「ひとり」の哲学』新潮選書、2016年 「ひとり」の哲学 「ひとり」で考えるという基本が揺らいでいるのか。本書を読み始めたときの疑問である。 「ひとりで生きるという意識が、われわれのあいだからしだいに消え失せていったようだ。ひとり...
読書時間

「孤独」と「ひとり」の違い

山折哲雄『「ひとり」の哲学』新潮選書、2016年 買ってからしばらく置いていた。序章の「「孤独」と「ひとり」の違い」を読んで課題図書を読むのを優先したのだった。課題図書を読むのに疲れたのと、埋もれた本が偶然に出てきたので読み始める。 あとが...