読書時間

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批評のポイントを識る

批評のポイントを識るために読む本を一冊をあげるとしたら、谷沢永一の書評に限る。 谷沢永一『紙つぶて 自作自注最終版』文藝春秋社、2005年 本書は昭和44年から58年にかけて新聞等の書評欄に発表した書評に、昭和60年から平成16年にかけて6...
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『渡りの足跡』(2010)再読

梨木香歩『渡りの足跡』新潮社、2010年第2刷 カバー写真が水越武氏だった。山をやっていた頃はよく写真集を見ていた。 以前に読んだ時からかなり時間が経って、すっかり忘れていた。買ったことすら忘れている本が多いことからすれば、手離すことなく二...
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『〈英文法〉を考える』(1995)

池上嘉彦『〈英文法〉を考える』ちくま学芸文庫、1995年、2009年第8刷 書誌情報 筑摩書房より1991年に刊行された本の文庫化したものである。 5文型という呪縛について、池上嘉彦氏が書いていたことを読んだときは、英語教育の長さを感じたも...
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『英文法詳解』(1998)

杉山忠一『英文法詳解』学習研究社、1998年、2002年第7刷 江川泰一郎の『英文法解説 改訂三版』(金子書房、1991年、2002年第19刷)は安西徹雄の『翻訳英文法』(バベル・プレス、1982年、2002年新装版第15刷)とコンビで使う...
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『翻訳英文法』(1982)

安西徹雄『翻訳英文法』バベル・プレス、1982年、2002年新装版第15刷 書誌情報 書名を変えて文庫化されている。 『英文翻訳術』(ちくま学芸文庫、1995年) しかし、『翻訳英文法』も2008年版が出ているのは、文字が大きいからであろう...
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『内藤湖南への旅』(2011)

粕谷一希『内藤湖南への旅』藤原書店、2011年 「湖南の墓は京都の法然院にある」(P70)と粕谷一希(かすや・かずき)が書いていた。内藤湖南は京都帝国大学(現 京都大学)を退官後、京都府相楽郡瓶原村(みかのはらむら)に隠棲したのは、どこかで...
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『英文をいかに読むか』(1959)

朱牟田夏雄『英文をいかに読むか』文建書房、1959年、1988年第64刷 大ベストセラーであろう。研究社で2019年夏に新装版がでる。 3編から成っている。 第一編 総論 13-46 英文解釈の心ぐみ 第二編 演習 49-274 第三編 作...
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『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』(2019)

大木毅『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』岩波新書、2019年 ドイツ30年戦争で宗教を理由とした戦争の不毛さを経験したヨーロッパ人が、近代国家として国民を巻き込んだ戦争を行い、帝国主義的収奪戦争を戦っていた。ところが、ヒトラーによるイデオロギーによ...
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『英文解体新書』(2019)

北村一真『英文解体新書 ー構造と論理を読み解く英文解釈』研究社、2019年 本を読むとはどういうことか。母語で読むのと英語など他の言語を読む場合にどのような違いがあるのだろうか。英語を読む場合に、慣れてしまったwordsを別にすれば母語で処...
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日本的な文明批評の到達点

日本的な文明批評の到達点 島内裕子氏が吉田健一『東京の昔』(ちくま学芸文庫、2011年)に表題の解説を書いていました。 吉田健一の小説にはいつものように文学談義や文明論が出て来ますが、「閑居記」であるという本質を突いた指摘がされていました。...