読書時間

読書時間

『神曲』には『講義』がよく似合う

Twitterでダンテの『神曲』を描いたドレの版画が出てきたので、『神曲 地獄篇』第10歌を読む。それだけ迫力のある画であるのでページをめくってすぐに見つけられた(p.135)。 ダンテとファリナータとの会話を読んだ。トスカーナでの皇帝党と...
読書時間

『海のアルメニア商人 アジア離散交易の歴史』(2023)

重松伸司『海のアルメニア商人 アジア離散交易の歴史』集英社新書、2023年 アルメニア共和国が1991年に旧ソ連邦から独立した。コーカサス高地にありながらも交易の民として歴史に登場したアルメニア人について私は知るところが少ない。フランチェス...
読書時間

『ダンテ『神曲』講義 上』(2023)

平川祐弘『ダンテ『神曲』講義 上』河出文庫、2023年 「本書は日本の教養ある読書人のためのダンテ『神曲』講義録である」(p.15)。 『ダンテ『神曲』講義』河出書房新社、2010年を文庫本にするに当たり二分冊にした。上巻は12回の講義が収...
読書時間

『アカデミック・フレーズバンク』(2022)

ジョン・モーリー、高橋さきの訳、国枝哲夫監修『アカデミック・フレーズバンク そのまま使える!構文200・文例1900』 講談社、2022年、kindle版 英作文のための構文について、やはりきっちりしたものを基にする必要があると思っていたが...
読書時間

『街上不平』(1915)

土岐善麿『街上不平』東雲堂書店、大正四年 土岐善麿が石川啄木を世に出したとLe Petit Parisienのオーナーが言って、この詩歌集を取り出してきた。オーナー氏は好きらしい。土岐善麿については国文学者で校歌の作詞を多くしたことくらいし...
読書時間

『日本語の森を歩いて フランス語から見た日本語学』(2005)

外国語を学ぶことが母語を学ぶことになる。そうでなければ、勤め人である私が、時間を削ってまで言語についての本を読むことの理由はないのだろう。 普段何気なく使っている「に」と「て」についてフランス語の前置詞との対比で説明されると、日本語の位置関...
読書時間

『英文読解を極める』(2023)

北村一真『英文読解を極める:「上級者の思考」を手に入れる5つのステップ』NHK出版新書、2023年 「英語(英文)の難しさ」を5つに切り分けてそれぞれの特徴や攻略法を解説している。鹿島茂氏の「正しく考えるためのデカルトの四原則」の②分けて考...
読書時間

『西洋書物学事始め』(1993)

髙宮利行『西洋書物学事始め』青土社、1993年 Le Petit Parisienのオーナーさんと髙宮利行氏の『西洋書物史への扉』(岩波新書、2023年)について話していたら、件の本を貸してくれたのだ読んでみたい。30年前の本をネタに新書を...
読書時間

『思考の技術論』(2023)

鹿島茂『思考の技術論 自分の頭で「正しく考える」』平凡社、2023年 本文約550ページの大著である。 「「正しく考える」ための方法、それも「自分の頭だけを使って正しく考えるための方法」というものは果たして存在しているのでしょうか?」(p....
読書時間

『アリストテレスの哲学』(2023)

中畑正志『アリストテレスの哲学』岩波新書、2023年 寄り道であることはわかっている。読んでもわからないこともわかっている。ただ、万学の祖であるアリストテレスを素通りてし中世を読むのも変なのである。著者は現代の哲学としてアリストテレスを扱っ...