『壬申の乱』(2007)

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倉本一宏『壬申の乱 戦争の日本史2』吉川弘文館、2007年

上田正昭著『藤原不比等』を読んでいると不比等と鸕野皇后の関係を考える前に『壬申の乱』は読まざるを得ないと思った。鵜野皇女(持統天皇)の果たした役割が気になったからである。壬申の乱の経過がテーマであったが、律令体制国家を建設するための過渡的・特殊的な政治体制を律令制成立期の「皇親政治」と位置付けていた(P231)。「加えて、律令制初期の天皇がほとんど皇子を残すことがなかったことから、天武系皇親には新たな悲劇が待ち受けることになるのであり、「皇親政治」は終焉を迎える」(P231)。不比等は論じられていなかったが、鵜野皇女の利害得失はよく分かった。

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