吉田健一の書

断片記憶

高橋真名子氏が「父の書斎」を岩波書店の『図書』(2019年7月号)に書いていた。故高橋英夫の書斎に「梅一枝已催春」と書かれた吉田健一の書が掛かっていたが、直筆でなく工芸版だという。ヤフオクでみたら、色紙が出ていた。思うに余りありがたがるような書には見えないが、何か思い入れがあったのだろう。高橋真名子氏が高橋家の書斎の想い出をいっているのは、すでに取り壊された「羽沢の家」と呼んでいた方で、増築した二階の書斎から、庭の梅が見えたという。高橋英夫が翻訳家だった頃、ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』を訳したものを読んだ気がする。遊ぶ人という意味だ。高橋真名子氏は『近江古事風物誌』(河出書房新社、2009年)を書いており、僕らの領域に近いことが分かった。本屋で出会ったら手に取ってみようと思う。

#吉田健一 #高橋英夫 #滋賀

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