『古史徵開題記』(その2)

読書時間

1.統一

『古史徵開題記』は平田篤胤が著した我が国の古典の解説書

2.目次

目次を分解して組み直してみた。

システマチックな目次であり、目録大意と開題記も当然ながら対応したものである。

「古史徵序」は古の御典(みふみ)を徵(あか)した平田篤胤の書の出版を弟子が願い出て許されたことを書く(文政元年、1818年)。

「古史徵のそへこと」は伝説となった出筆の経過を弟子が書いたもの。

「開題記目録」は各冊の大意を弟子が書いたもの。

「開題記」は『古史徵』の第一巻四冊で平田篤胤が書いた古典の解題書である。

目次

古史徵序(山崎篤利)

古史徵のそへこと(新庄道雄)

開題記目録大意(山崎篤利)

古史徵一春之巻

・古傳説の本論

・神世文字の論

・古史二典の論上

古史徵一夏之巻

・古史二典の論下

・新撰姓氏錄の論

古史徵一秋之巻

・上ノ件三典に添讀べき書等の論上

古史徵一冬之巻

・上ノ件三典に添讀べき書等の下

開題記(平田篤胤)

古史徵一之巻春

・古傳説の本論

・神世文字の論

・古史二典の論上

古史徵一之巻夏

・古史二典の論下

・新撰姓氏錄の論

古史徵一之巻秋

・上ノ件三典に添讀べき書等の論上

古史徵一之巻冬

・上ノ件三典に添讀べき書等の下

3.古典の解題書

山田孝雄博士は黒板勝美博士の言を引いて開題記の価値を説明する。孫引きであるが、そのまま引用しよう。

「開題記は我が國の本源や神代文字に關せる意見を別とし、神代以来氏姓時代まで國史の研究者に善い手引きともなるべき解題書である」。

山田孝雄博士も神世文字があったとは考えていない。

山田孝雄博士は、日本紀、古事記とともに新撰姓氏錄を「重要なものであると(平田篤胤が)認めたことは、破天荒な見解で、しかも動かすべからざるものである。」とした。

上件の三典に添えて讀むべき書として、以下の書が言及されている。

續日本紀より以下三代實錄までの正史

類聚國史

古風土記及び古風土記の逸文

舊事紀の内の天孫本紀、國造本紀

利令、式、格、律

和名類聚抄

古語拾遺

古典のオンパレードですな。古典の解題書として比類なき存在だ。

関連情報

『古史徵開題記』(1936)

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