『高野切第一種』(1993)

読書時間

渡邊隆男『日本名筆選1 高野切第一種 伝紀貫之筆』二玄社、1993年、2014年2版(増補)第9刷

書はやらないのであるが、このところ古典の読み直しの本を読むことで、書と言葉の関係を意識するようになった。古文を読むためではなく古典を読むためには文字にも注意しておく必要を感じたのである。

高野切第一種を何度かに分けて読む機会があった。あまりに読めないために閉口したが、無理もない。古今集の解説書を見て、先生の読み方と比べて字母の意識が足りないことが分かった。予習して講義に臨んだのではあるが、その場で的確に読むことはできなかった。

コピーでは限界もあるので、手本を買うことにした。二玄社の日本名筆選を選ぶことにした。『丁寧に読む古典』の口絵がそこから採られていたからだった。

字母を明示した読みが付いているので文字を追うことに夢中になって解釈が疎かになった。そんなに慌てて読まんでも良いという声を聞いた気がする。時間の限られた講義ではないのだから。

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