『京都・六曜社三代記 喫茶の一族』(2020)

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横山聡『京都・六曜社三代記 喫茶の一族』京阪神エルマガジン、2020年

京都本はもう買わないと書いていたにもかかわらず、萩尾望都氏の『ポーの一族』のようなタイトルの印象に惹かれて、手にしてしまった。

京都は三条河原町にある六曜社という喫茶店の話です。帯に「100年続く店はどうつくる?」とありましたが、創業は1950年なので、100年企業ではありません。「100年続く喫茶店」に向かって歩んでいる(P4)ということらしい。紛らわしい宣伝文句ですね。

満州引揚者の夫妻が創業した喫茶店の歩みと京都の歩みが重なり、懐かしい名前がいくつも登場します。1930年に誕生の進々堂 京大北門店、1932年のスマート珈琲店、築地やフランソワ喫茶室は1934年です。よく通ったイノダコーヒは1940年創業です。

京都新聞記者の取材に基づくため、読みやすい本となっています。

奥野實氏の三男の奥野修氏の話とその子息の薫平氏の話を読んで三代記を十分味わいました。

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