薬袋善郎『基本からわかる 英語リーディング教本』研究社、2000年、2002年3刷
「はじめに」にウィンストン・チャーチルのMy Early Lifeから構文解析のエピソードが採られていたのはすっかり忘れていました。外国語習得の達人のシュリーマンの自伝とは対照的になっています。シュリーマンは言語の習得は音読、暗誦型であったと思います。自分が書いたものをその国の言葉に訳してもらったものを覚えるやり方と記憶していますが、これも定かではないので、岩波新書が探せれば確認してみたい。
どうやらチャーチルは徹底的に構文解析を叩き込まれたようで、薬袋善郎氏が引用しているところを孫引きでメモしておきます。
I got into my bones the essential structure of the ordinary British sentence. 「普通の英文なら,その構造を骨の髄まで徹底的に理解した」(5)頁。
薬袋善郎氏のいうFrame of Referenceはこの教本で学んだはずでしたが、本の奥付を見ると、翻訳プロジェクトの時期に重なるので、英文解釈のためにこの本に手を出したのだろうと思います。フィーリングで読むのと違い、厳密に読んで翻訳するのは大変な作業です。長い文の中で言葉がどこまで係るのか、当時は曖昧な読み方しか出来なかったので構文解析を一からやり直す必要があったのでした。
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