五木寛之『五木寛之の金沢散歩』講談社、2015年
五木寛之氏が金沢に住んでいた若い頃のことや、その後に訪れた日々のことが綴られている。彼が編集や制作の仕事をやめて、金沢へ移り、小説家として再生していくところがいい。
昔だけでなく、近頃のことも書いてある。あうん堂本舗のことが紹介されていたのでメモしておく。
「昨夜、主計町から中の橋をわたり、静かな暗い町を歩いた。その闇のなかに一点ぼうっと白い灯がともっている。虫のように惹きよせられていくと、古本屋「あうん堂」という店だった。とてもユニークな古書店兼カフェである。ホッとした」(2008年3月「時代はメリー・ゴーラウンド」)。
アウトサイダーの目線で書くから、他所者であっても読んで分かる。今回、若手企業人の結束の良さを感じた旅は、五木寛之氏のエッセイを読むことで閉じることにしょう。
注)1967年から2014年までの金沢に関するエッセイをまとめたもので、内容に重複が見られる。何度も書くだけ思い入れがあると思うことにした。
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