『露寇事件 一九世紀初頭の日露紛争と鎖国』(2025)を読む

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藤田覚『露寇事件 一九世紀初頭の日露紛争と鎖国』山川出版社、2025年

「露寇事件」 とは、19世紀初頭、文化三年(1806)及び文化四年(1807)にロシア軍艦によるカラフト島・エトロフ島攻撃をいう。ロシアとの紛争は幕府が公開しなくとも情報は伝わる。まさに風説考の世界である。幕府は奥説の渦巻く中、部分的公開と雑説禁止令を出して対処した。

「文化露寇事件は出版物の統制を強化させ、黄表紙を終焉させるという近世文学への大きな影響を与えたように、社会に与えた影響は広く深かったのである」(p.200)。中村幸彦『戯作論』(角川選書、2025年)を引っ張り出して読んでみた。当時の情勢を内憂外患と抽象的な言い方で書いてあった。『戯作論』では黄表紙の終焉は書いていなかったことに改めて気がついたのである。

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