『マルレーン・ハウスホーファー短編集 人殺しは夕方やってきた』(2024)

読書時間

マルレーン・ハウスホーファー、松永美穂訳『マルレーン・ハウスホーファー短編集 人殺しは夕方やってきた』書肆侃侃房、2024年

宮島亜紀さんが装丁・挿画を担当しているのは、文芸誌の『食べるのが遅い』に掲載した短編に挿画を描いたことによる。

マルレーン・ハウスホーファー(1920-1970)はオーストリアの女性作家で『壁』が代表作というので読みたくなったが、日本の古本屋で見つからないのでこれは諦めることにした。

短編集なので、気がついた時にページを捲るのがよい。

1 少女時代の思い出の「美しきメルジーネ」、「さくらんぼ」や「初めてのキス」、

2 大人の生活の「人殺しは夕方やってきた」、「フォン・ガイエン氏の夜の出逢い」、

3 戦争の影の「1945年の春」を読んで久しぶりに小説を読んだ気になった。9月にモームの短編を読んだのだことをふと思い出した(注)。

蔵書票の少女の抱いているネコはメルジーネでなくミリでもない色をしていた。

(注)薬袋善郎『英語リーディングへの招待:モームの短編を原文で愉しむ』研究社、2024年

人殺しは夕方やってきた

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