酒井徳男『趣味馬鹿半代記』東京文献センター、昭和43年(1968)
Le Petit Parisienの石川さんが、水曜荘の本を集めているので、読ませてもらった。来年も展示を考えているという。
箱を開けて本を取り出してパラパラを眺めていくと、限定本の話があった。水曜荘こと酒井徳男のエッセイが面白かった。
限定本とは面白いかどうか議論することのばかばかしさを書いている。たとえが面白すぎる。
いわく、酒は、呑んでみて、面白いか、つまらないか。
いわく、女は、抱いてみて、面白いか、つまらないか。
いわく、金は、握ってみて、面白いか、つまらないか。
いわく、飯は、食ってみて、面白いか、つまらないか。
本は読めさえすればよいというありそうな反論には、
酒は、呑んで、酔いさえすればよい。
女は、抱いて、用さえ足せればよい。
金は、もうけさえすればよい。
飯は、食えさえすればよい。
本はページシミで汚れたものでなく、パリッとしたほうがが気持ちがよいし、限定本で丁寧に作られていればいうことないじゃないかというのだ。
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