『秀吉の大仏造立』(2008)

読書時間

河内将芳『シリーズ 権力者と仏教 秀吉の大仏造立』法藏館、2008年

河内将芳氏の本を読むのは楽しい。論文集は手に入らないので、一般書を読むことにする。

東大寺大仏殿の炎上から話は始まる。

永禄10年(1567年)10月10日のことであった。東大寺大仏殿が治承4年(1180年)12月に炎上した時は、源頼朝が再建した。では、豊臣秀吉が東大寺の大仏殿と大仏を再建しないで、京都東山に大仏や大仏殿を建立したのは何故だろうか?

「本書では、この点も含めて、東山大仏をめぐって秀吉とその政権、豊臣政権がくり広げたいくつかの興味深いできごとを通して豊臣政権やその宗教政策について考えてみる」(p.10)という。

京都を巡る旅行をしていたときは、燃えたものは燃えたもので、今残っている京都は私が求める京都ではなかった。歩く道も舗装されて当時のものはない。大仏殿の跡地や、国家安康の鐘を見ても往時を想像できないで終わっていた。京都は白川静先生の講義を聴くのが目的だった。

河内将芳氏の本を読んで、また、京都を巡る旅行をしたくなった。身体が効かなくなったのと、知り合いが出来たことで、ほっつき歩くことはなくなった分、空想に浸っている時間が増えた気がする。本を読んでいても、いつのまにか別なことを考えていたり、すぐに眠くなることが増えた。

#河内将芳 #歴史 #中世史 #京都

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