書き写すことで見えてくるもの

断片記憶

普段筆記するのは会議や講演のメモを取るときくらいしかない。パソコンが使える時はキーボードを使うので、ペンを使う機会が減った。歳のせいか字をどんどん忘れていく気がするし、文章がリズミカルでなくなってきた。そこで文章を筆写することで見えてくるものがあるかもしれないと思い、時間を区切って書き写しをしてみた。三島由紀夫の『豊饒の海 第2巻 奔馬』から三枝祭を書き写すことにしたのは、『奔馬』(1977)を蟬時雨の中で読むが頭にあったからだ。あれから1年半も経つのかと思うと時の移ろいを感じる。三島由紀夫がどのような取材に基づいて書いたのかは知らないが、映像を喚起する描写力が凄い。率川神社の祭を一度見ただけでは書けそうにもないし、使っている用語も専門的なのであった。小説のリアリティにかなっている。

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