唐木順三『唐木順三ライブラリーⅡ 詩とデカダンス 無用者の系譜』中公選書、2013年
このシリーズ3冊は分厚い選書で5百頁を超えているため鞄の中に入れて読むことができないでいるうちに箱の中にしまわれていた。久々に探し出したのは、入江相政のエッセイで永井荷風を少し調べたのと、放送大学で「文人精神の系譜」を林浩平氏が論じていたのを正月休みに見たことで、唐木順三による文人の定義で良いのか考えたくなったからだった。
『無用者の系譜』は「無用者の系譜」「文人気質」「雲がくれ」からなるが、
「文人気質」では永井荷風の最期から話を始めた唐木順三は文人気質を探るエッセイを永井散人から遡って書いていく。
永井荷風における文人気質の要素を唐木順三は3つあげている。
第一 離俗または叛俗の精神
第二 自分の行動または判断の基準を、 自分の好悪によって決めたこと
第三 博雅ということ
この後、唐木順三は荻生徂徠の『弁名』にまで遡るのだが、時間が来たので、またにする。
文人気質(その2)
唐木順三『唐木順三ライブラリーⅡ 詩とデカダンス 無用者の系譜』中公選書、2013年 『無用者の系譜』 「文人気質」が収められた『無用者の系譜』は1960年に筑摩書房より刊行された。「無用者の系譜」は『伊勢物語』の第九段、「昔、男ありけり。...
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