幸福を感じるための作法

断片記憶

久しぶりに以前よく行ってた居酒屋へ顔を出した。店内は改装して広くなった。何もかも新しく感じた。柱の側に通されたが、以前あった千社札の貼られた柱は綺麗になっていた。小上がりもテーブル席になっていた。

どこか野暮さの残る品書きを見ながら、居心地の良さとは何かを考えていた。お酒、馴染んだ味そして時折する会話があれば、独りで飲むには都合が良い。たまに知り合いと目が合えばそれで良い。余韻を残してさっと引き上げるのが私の作法だった。

二人で平らげたもの

玉子豆腐2、田螺、鱧あぶり、東寺湯葉、鮎2、蛸やわらか煮、きんぴら、ひじき、鴨ロース、鯖寿司

居酒屋の記録に追加しても記憶を留めた冊子はそのままにしておく、記憶は私の中にしかなく、冊子にある時間と場所はもうないのであるから、一緒にすることはできない。二人の時間の記憶は新たに綴る手帖の中にある。

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