『新視覚新論』(2021)

Goinkyodo通信 読書時間
大森荘蔵『新視覚新論』講談社学術文庫、2021年
書誌情報
『新視覚新論』は1982年に東京大学出版会から刊行されたものを講談社学術文庫とした。「本書の原型は『理想』1976年1月号から4月号まで、(省略)、1981年8月号から11月号まで」(359ページ)掲載されたものである。「それに関連する二篇を九、十章として加え、またかなりの加筆、訂正を施した」(3ページ)。「いうまでもなくこれはバークリィの『視覚新論』に基づいている」(同上)。
『理想』は残念ながら読んだことのない雑誌である。大学生当時は『思想』などの雑誌は私と関係のない世界の話であると思っていた。
野家啓一(のや けいいち)氏(哲学者/東北大学名誉教授)の「解説 二元論の解体と超克」から読む。著者が連載に追加した九、十章から読み、一章は哲学史に興味がなければ省いても良いという。「大森連峰のなかでも最高峰に屹立する作品である」(359ページ)から概説書も読まずにいきなり読むのは無謀のような気がした。元山屋としては無謀な登山は避けたい。

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