『伊勢と出雲』(その2)

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岡谷公二『伊勢と出雲 韓神(からかみ)と鉄』平凡社新書、2016年

岡谷公二氏の神社の起源を求めての旅は続いている。この本は日本異境巡りのルポのようだ。

第一部 伊勢

金達寿『日本の中の朝鮮文化』4の情報を確認するため、韓神山(からかみやま)を訪ねたあと、もう一つの韓神を祀っていた鞆尾森を探す。

岡谷公二氏は「伊勢で一泊したあと、津市に立ち寄って、六大A遺跡や村主などを訪ね、桑名に出て、そこで員弁川に沿って上流の阿下喜(あげき)までゆく三岐鉄道北勢線に乗り替え、桑名の町を出て程なくの、友村の最寄り駅ほしかわ(星川)で下車した」。

しかし、鞆尾森の跡はなく、須佐之男命を祀る鞆尾神社があったが、探し求めた韓神宮三座を祀るものではなかった。

第二部 出雲

出雲日御碕の近くにある韓竃(からかま)神社を訪ねたあと、岡谷公二氏は日御碕神社へ行く。摂社に韓国神社を見るために再訪したのだった。伊勢同様に金達寿『日本の中の朝鮮文化』8の情報がもとである。

日御碕神社の上社の摂社を捜したがそれらしきものは見当たらなかった。社務所で聞くと、「下の社の本殿のすぐ右手、石段を四、五段のぼった高みにある小祠」だという。扁額は韓国神社とあった。「韓国神社は、かつては他の摂社、末社と同じだったが、数年前、在日の人々が金を出しあってあの祠を建てたのだという」。

時の経過は種本と異なる状況をもたらした。

さて、この本のサブタイトルの鉄についてはまた後にしたい。

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