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『物言はぬ顔』(1912)

小川未明『物言はぬ顔』春陽堂、1912年第3版 小川未明の小説をLe Petit Parisienの石川さんに借りて読んだ。9頁から16頁が製本の手違いでダブっていたのには驚いたが、文章は淡々と淋しい調子で書かれていた。童子作家の顔しか知ら...
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『定本酒呑童子の誕生』(2020)その2

髙橋昌明『定本酒呑童子の誕生 もうひとつの日本文化』岩波現代文庫、2020年 大江山の酒呑童子の物語は「南北朝・室町初期成立といわれる逸翁美術館蔵『大江山絵詞』を初見とし」(P11)ている。 高橋昌明氏によると、大江山はどこかという問題があ...
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『唯脳論』(1998)

養老孟司『唯脳論』ちくま学芸文庫、1998年、2003年第9刷 書誌情報 『唯脳論』(青土社、1989年)を文庫化した。 解説 澤口俊之氏 「ヒトが人である所以は、シンボル活動にある、言語、芸術、科学、宗教、等々。これはすべて、脳の機能であ...
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『定本酒呑童子の誕生』(2020)

髙橋昌明『定本酒呑童子の誕生 もうひとつの日本文化』岩波現代文庫、2020年 書誌情報 『酒呑童子の誕生ーーもうひとつの日本文化』は1992年に中公新書、2005年に中公文庫となった。中公文庫版に「〈補説3〉描かれたモノノケ」「【付録2】鬼...
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『不滅の哲学 池田晶子』(2020)その3

若松英輔『不滅の哲学 池田晶子』亜紀書房、2020年 オンライン読書会があるので、また『不滅の哲学 池田晶子』を取り出す。テーマは第一章 孤独な思索者(P5〜21)である。読み直すと何か別な観点が見えてくるのだろうか。 池田晶子を読んだこと...
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『脳の中の過程』(1986)

養老孟司『脳の中の過程』哲学書房、1986年 養老孟司氏の『バカの壁』を読み返そうと思ったけど、見つからないので、第2エッセイ集を取り出してみた。「馬鹿の壁」はすでに現れている。「ものが理解できない状態を、私は「馬鹿の壁」と呼ぶ」(「哲学と...
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『空海コレクション2』(2004)

宮坂宥勝監修『空海コレクション2』ちくま学芸文庫、2004年、2019年第9刷 書誌情報 即身成仏義 頼富本宏訳注 声字実相義 北尾隆心訳注 吽字義 北尾隆心訳注 般若心経秘鍵 頼富本宏訳注 以上は『弘法大師全集』を底本に用いた。 請来目録...
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『京都・一五四七年』(2003)

今谷明『京都・一五四七年 上杉本洛中洛外図の謎を解く』平凡社ライブラリー、2003年 洛中洛外図は今谷明氏の『京都・一五四七年』(平凡社ライブラリー)、瀬田勝哉氏の『洛中洛外の群像』(平凡社ライブラリー)、黒田日出男氏の『謎とき洛中洛外図』...
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『戦国時代の貴族』(2002)

今谷明『戦国時代の貴族 『言継卿記』が描く京都』講談社学術文庫、2002年 前に読んだ時は、言継のあと息子の言経の代で没落したことが残念な気がした。 信長の時代に『言継卿記』という一次史料があることで、戦国大名のことが語れる。河内将芳氏の描...
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『増補 絵画史料で歴史を読む』(2007)その2

黒田日出男『増補 絵画史料で歴史を読む』ちくま学芸文庫、2007年 神護寺の三像については、いつだったか、5月の連休に虫干されたのを見に伺ったことがある。 絹本著色伝源頼朝像、絹本著色伝平重盛像、絹本著色伝藤原光能像は1951年に国宝に指定...