『日本文化のキーワード』(2010)を再読

読書時間

栗田勇『日本文化のキーワード』祥伝社新書、2010年

片付けをしていて、段ボール箱を開けていたら出てきた。栗田勇(1929-2023)は仏文学者であったが、読んだ本は日本文化論ばかりだった気がする。

本書は7つのやまと言葉が7章で取り上げられる構成になっている。

「ありがとう」「遊び」「匂い」「間」「道」「わび、さび」「あわれ」と数えると言葉は8つになっていた。まず気になる第6章から読む。

第6章〈わび、さび〉ということ

「わび、さび」でー章を構成している。実際にはやまと言葉だけでは足りずに漢語の「幽玄」も使う。そもそも、日本文化論を説明するのに7つの言葉に収まりきれはしない。

「さび」は「幽玄」であるという。

「新古今の歌人たちは、あの荒涼たる冬景色にすぎない「さび」の奥にかくされた、天然の生きた真実を嗅ぎあて、そこにもっとも根元的なるものとして、道教の「幽玄」という言葉を対応させた。ここで「さび」は「幽玄の意味をあらわにしたのである」(p.170)。

「わび」は「さび」を前提にした生き方だった。

「「さび」を進んで人間が受け入れた生き方が「わ(我)がさび」となり「わび」となる。「わび茶」とは、自ら「さび」をえらひとって生き切る人間の美学である」(p.172)。

第5章〈道〉ということ

「みちのく」が道の奥であることは知られたことだ。この章は最澄、空海、徳一の論争がさらりと触れられていたが、当時の私は飛ばしていたであろう。師茂樹氏の『最澄と徳一 仏教史上最大の対決』(岩波新書、2021年)を読んでその重要さに気がついた。そのことは以前ブログに書いたのでここでは繰り返さない。

一遍上人のみちのくの遊行が語られる。国宝の『一遍上人聖絵』の全巻展示の機会を逸したので雪の場面は見ていない。色々と宿題を思い出した。

『日本文化のキーワード』(2010)

『日本文化のキーワード』(2010)

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