『英文解釈教室 改訂版』(1997)

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伊藤和夫『英文解釈教室 改訂版』研究社、1997年改訂版、2003年改訂版10刷
本書は15 Chaptersに分かれ、それぞれの解説と例題に例題の全訳(別冊)からなる。文の構造の特徴を説明するところは詳しいが、枝葉の説明は簡略である。例文を和訳してみて、別冊の例題の全訳と較べて自分の理解が正しいかチェックしないと認知バイアスが働いて、自分が正しいアタマの働かせ方をしたと思い込むから、自分の弱点を克服できなくなる。
北村一真氏は『英文読解を極める』(NHK出版新書、2023年)で英語を読むことの難しさを5つのタイプに分けていた。そのなかでも文構造の予測法が気になった。本書の伊藤和夫も具体的な注意事項を挙げて、文構造の予測についてアタマの働きを解説していた。頭の働かせ方という点では薬袋善郎氏の『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』(研究社、2021年)も同じである。正しく読むということを丁寧に解説した薬袋善郎氏の本を読んでいなかったら、伊藤和夫の本は単に難しいで終わってしまったかも知れない。
北村一真氏が前掲の著書で文章の構造にも言及していたので、伊藤和夫も文の構造だけでなく、文章構造についても言及していると思うので、長文読解の本があれば読んでみたくなった。

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