2020-04

読書時間

為政第二を読む

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫、2000年、2004年第6刷為政第二を読む。19 子曰。道之以政。斉之以刑。民免而無恥。道之以徳。斉之以礼。有恥且格。宮崎市定は評釈を加えていなので、子安宣邦『仁斎論語 上』(ぺりかん社、2017年)...
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『堺港攘夷始末』(1992)

大岡昇平『堺港攘夷始末』中公文庫、1992年河盛好蔵が『私の履歴書 フランス語盛衰記』(日本経済新聞、1991年)を書いた時、最初に堺事件(1868年)が3回にわたり取り上げられたことは、すでにブログに載せている。大岡昇平の遺著である『堺港...
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『探偵※旅※書物』(1954)

佐々木桔梗『探偵※旅※書物』水曜荘限定版刊行会、1954年Le Petit Parisienは水曜荘関連を研究している数少ない研究者である。最近手に入れた本を読ませてくれた。水曜荘は酒井徳男の限定版出版社である。本書は佐々木桔梗のエッセイを...
断片記憶

ソラリスの蔵書票

スタニスワム・レム、沼野充義訳『ソラリス』国書刊行会、2004年宮島亜紀さんの蔵書票をもっていますが額装したものばかりでこの本のように貼っているものは少ないです。本の値段より蔵書票の方が高いので大概のひとは単独で版画として楽しんでいるようで...
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『教養としての政治学入門』(2020)

成蹊大学法学部編『教養としての政治学入門』 ちくま新書、2019年3月、kindle版今井貴子氏ははじめにで「本書は、成蹊大学法学部政治学科に在籍する研究者による政治学の入門書である」と要約している。第1章[日本政治]議院内閣制と政党政治─...
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『タオーー老子』(2006)

加島祥造『タオーー老子』ちくま文庫、2006年、2007年第2刷やはり出てきた。完訳版である。本の片付けはすべきである。記憶はあてにならないのだから。本書は文庫版であるが、訳文の文字が大きいのでルーペがいらないのが嬉しい。道(タオ)と徳(テ...
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『現代語訳 論語』(2000)

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫、2000年、2004年第6刷「私は経書を読むたびに何時も感ずるのだが、経とその注釈とは必ずしもぴたりと一致するものでなく、一応は別物なのである」(P343)。「後語」を読んだときは当たり前のことを書い...
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『退讀書歴』(1933)

柳田國男『退讀書歴』書物展望社、1933年限定1,000部、第629號いつだったか、齋藤昌三の装幀本を紹介する機会があればと書いた。柳田國男の『遠野物語』に刺激されて、この本を引っ張り出してきた。天金でつゞれ織りの装幀で立派な本である。しか...
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『遠野物語』とは何だったのか

柳田国男『遠野物語』青空文庫、kindle版、2013年新谷尚紀氏のカルチャーラジオ"遠野物語"を読みとく 第1回【柳田國男と"遠野物語"(1)】を聴いて、『遠野物語』を読みたくなった。文庫本があったはずとおもうが、捜せるわけもなく、kin...
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『荘園』(1998)その2

日本歴史学会編集、永原慶二『荘園』吉川弘文館、日本歴史叢書新装版、1998年、2008年第3刷宇治谷孟『続日本紀(中)全現代語訳』(講談社学術文庫、1992年)を開いて、巻十七 聖武天皇 天平勝宝元年七月十三日条を読むと、諸寺の墾田地の限度...
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「細川ガラシャの味土野幽閉説を疑う」を読む

森島康雄氏の「細川ガラシャの味土野幽閉説を疑う」(丹後郷土資料館調査だより第9号、2020年3月27日)を読む。明智光秀の娘玉は細川忠興に嫁いでいたが、本能寺の変で、(離縁され)、丹波の三戸野へ送り帰されたと『明智軍記』や細川家の公式歴史で...
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『院政』(2006)

美川圭『院政』中公新書、2006年、2018年第5刷あとがきで美川圭氏は中国山西省応県にある木塔のことを書いていました。「目の前にそびえるのは高さ67メートルの応(おう)県の木塔、正式名は仏宮寺釈迦塔。造られたのは遼の清寧二年(1056)、...
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『鎌倉幕府』(2004)その2

石井進『日本の歴史(7)鎌倉幕府』中公文庫、1974年、2004年改版、2018年改版第6刷石橋山古戦場は東海道線の根府川駅と早川駅の間にある。敗れた頼朝らは後退して根府川より西の土肥(湯河原)の椙山(すぎやま)に隠れた。土肥椙山巌窟は神奈...
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『荘園』(1998)

日本歴史学会編集、永原慶二『荘園』吉川弘文館、日本歴史叢書新装版、1998年、2008年第3刷途中まで読んで付箋が貼ってある。「歴史教育の場でも、一般の日本歴史好きの人びとのあいだでも、荘園はいつでももっとも難解なテーマだ、というのが定評で...
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『日本の歴史(7)鎌倉幕府』(2004)

石井進『日本の歴史(7)鎌倉幕府』中公文庫、1974年、2004年改版、2018年改版第6刷五味文彦氏の解説を読む。「本書は啓蒙書・一般書でありながら、それまでの学問の水準を大きく越え、叙述の面でも優れていることから、以降の鎌倉時代の通史叙...