『ヴァレリー・セレクション』の宣伝文句に引っかかる

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東宏治・松田浩則編訳『ポール・ヴァレリー ヴァレリー・セレクション 上』平凡社ライブラリー、2005年

Paul Valéry(1871-1945)の批評を22篇選び新たに訳したもの。『ヴァリエテ』を中心に選んでいる。

研究所の本棚に挿してあった。ヴァレリーを読もうと思ったのは特に意味があるわけではない。訳者の東宏治氏がまえがきで「ヴァレリーを読むよろこび」を書いていた。

「わたしにとってなにより面白かったのは、何を論じても多様で複雑な現象を分かりやすく明快に解き明かすその語り口であり、やり口なのです。そのやり口については、彼はあるところで、比喩的に、どんな多数の敵を相手にしても、たとえば壁を背にして一人しか入ってこられないような狭い入口に立っていれば、大勢の敵とつねに一対一で相手にできる、そんなふうな戦術、安全で確実な対処法に似た方法、現実世界に起こるどんな現象や対象にたいしても対応できる方法を若い頃に発見したと書いています。本書で言えば「デカルト」のなかで、読者はそうした彼なりの方法にちょっと言及しているのを見つけるでしょう」(P12)。

その誘い文句に載って、下巻を読むことにした。

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