北村一真『英文解体新書2 シャーロック・ホームズから始める英文解釈』研究社、2021年
帯を見ると「英文解釈探偵の帰還」とある。「空き家の冒険」を踏まえている。これは英語で読んだ気がするので、ペーパーバックでも買って読んだのだろうか。記憶がはっきりしない。北村一真氏の本は3冊目となった。かなり凄いことだ。なぜなら語学の学習書だからである。学生ならまだしも、社会人もそろそろ終わりかけた人が読むことは想定されていまい。人は変わるのである。まだまだ語学の本は読むつもりでいる。
本を読むことは、日本語でも難しいことが多い。まして、英語ではニュアンスもはっきり分からないし、なぜその構文を採用するか、その良し悪しも分からない。日本文なら、文体を味わえるが、英文では読めている気がしない。そのくらい差異があるが、かけた時間が違うのだから仕方がない。
少なくとも正確に読むことを心がけて、語学の学習書を人並以上に参考にしてきたと思っている。読めなかった箇所も今なら読めるかもしれない。スマホで写しておけば、あとで難読文章も振り返ることができるのが今日の便利なところである。昔は、新聞を切り抜いたり、ノートに写したりするしかなかった。
ところで、シャーロック・ホームズ物は子供の時分に読んだが、シャーロキアンというものを知ったのはだいぶ後になってからで、探偵の推理が否定されて面白かった記憶がある。しかし、英語となると、ペーパーバックで推理小説を読んだのは主にペリーメースンシリーズだった。kindleが日本で発売されたときに読む物がなくてホームズ物の短編集が無料だったのでDLしたくらいだった。12編あったが「空き家の冒険」は入っていない。もう初代kindleも使われなくなって、本箱に挿したままである。
例文はホームズ物からほとんどがとられているが、コナン・ドイルの他の作品やポーの「モルグ街の殺人」などからも取られている。ポーの作品集も最近DLしたのは北村一真氏の『英語の読み方』(中公新書、2021年)でポーが載っていて懐かしくなったからだった。ポーの英語の方が難しく感じる。
学習書として、『英文解体新書』(2019年)の文法的な解説が参照されている。その分『英文解体新書2』はあっさりしたポイント解説になっている。これはコラムで文法事項を補っているのでこれでよい。100年前の古い英語なので解説は必要である。今回はトゥエインの文章で★★★★★のが4つあった。
やはり時間をかければ得るものはあると思う。何しろ通勤時間は英文法だし、寝る前に英単語、こうして、英文解釈の本を読むことで、気軽に英語の本をDLするようになっているのだから。
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