映画生産の本質相

読書時間

『LIBRARY iichiko SUMMER 2016 No.131 映画生産の文化学』文化科学高等研究院出版局

内田隆三氏、小松弘氏、山本哲士氏の鼎談「映画生産の本質相」はtwitterで以前に呟いたけれど、面白かった。任侠映画が1960年代半ばから70年代のはじめまで成立した。この任侠映画に「義理と人情」を読取るのは間違いで、「義理と人情」でない何かを山本哲士氏は折口信夫の「ごろつき論」で示された文化だという。

山本哲士氏の『高倉健・藤純子の任侠映画と日本情念』(文化科学高等研究院出版局、2015年)が元となっているのが第1部で、第2文化は内田隆三氏がシャーロック・ホームズの映画を報告する。

時代劇が終わり高度成長期という特殊な時期にできた任侠映画の後に「仁義なき戦い」が出てきて断絶が生じたというのは説得力があった。

「季刊iichiko」は大学や図書館へ寄贈される三和酒類株式会社の文化誌である。私が読んでいるのは内容が同じである市販版の「LIBRARY iichiko」だ。図書館にあるというなら、バックナンバーを読みたい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました