平山優『武田氏滅亡』角川選書、2017年
序章 諏方勝頼より武田勝頼へ
序章のタイトルが武田勝頼の運命を表している。元亀2年(1571)に武田勝頼として信玄の後継者に迎えられた勝頼は、元亀4年(1573)に武田信玄が没してしまうことで、十分な経験を積めていない。諏方の血筋を引くことで、武田の通字である信が使われてないことも、後継者とはみなされなかった。長男の義信が永禄10年(1567)に幽閉先で死んでもすぐには信玄の手元に呼ばれていない。高遠城主であった。
序章は信玄の死と武田勝頼が置かれた状況が描かれる。上杉謙信の言葉を借りて「信玄が、織田・徳川両氏と敵対したということは、あたかも蜂の巣に手を突っ込んだようなもので、せずともよいことを始めて」(P34)しまい、挙句に死んでいった。武田氏滅亡の原因は信玄にあるのだろうか。
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P14 諏方四郎神勝頼→諏方四郎勝頼
P26 義元未亡人→義信未亡人
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